初めまして新入社員の eko( イーコ ) です。

皆さん衣類に印刷する手法(ウエアプリント)ってどれくらいの種類があるかご存じですか︖
入社したての eko はシルク印刷は聞いたことあるけど他にもあるの … ︖レベルの知識しかありません。
弊社フルグラフィックファクトリーでは布もの製品に昇華転写プリントという手法をつかってグッズを制作しているのですが、「昇華転写」というワードを初めて耳にしました。

そこで最初の課題「昇華転写の世界を知る」が与えられましたので紹介していこうと思います。
これを知ると昇華転写プリントの可能性や面白さが広がりますよ!

まずは代表的なウエアプリントは以下の 4 つです。

代表的な 4 つのウエアプリント

古くからある定番手法で「版」とよばれる道具とインクを使って布に直接刷り込む手法で、部分印刷が基本です。


ポリエステルへのプリントに特化した手法で、転写紙にプリントしたものを布に熱でプレスしてプリントします。発色画質が鮮明です。全面印刷が可能です。


インクジェットプリンターを用いて印刷します。インクは溶剤を使用し発色や耐久性に優れています。部分印刷が基本です。


Direct to Film Printの略で専用のフィルムを用いて熱で圧着させて印刷する手法です。部分印刷が基本です。


ざっと簡単に紹介してみました。

ここからさらに細かく分けることができるのですが、全部説明してしまうと非常~にややこしくなってしまうので今回は eko が元々聞いたことのあった

「シルスクリーン印刷」と「昇華転写」に焦点を当てて勉強
を進めていこうと思います︕

まずこの 2 つの印刷手法には大きな違いがあります。

シルクスクリーン印刷とは

古くからあるウエアプリントの定番手法

アップで見ると布の表面にインクが乗っているのが分かりますね︕印刷された部分を指でなぞるとざらっとしていて生地とインクの境界が分かります。これは「版」と呼ばれる道具とインクを用いてプリントしていて、デザインを施した「版」の上にインクを入れて生地に直接刷る手法で1つの色に1つの「版」が用意されます。すでに服として完成している商品にプリントする為、部分範囲プリントが基本になります。インクの種類が豊富でゴールドや蛍光色など特色が使用できるのも特徴です。凹凸のついた素材にも印刷ができます。グラデーション表現ができないこともありませんが、データを網点にするなど工夫が必要になってくるので注意が必要です。

昇華転写プリントとは

ポリエステルへのプリントに特化した手法

全面にフルグラフィックプリントができるのでアニメのアパレルグッズなどで良く使われる手法です。インパクトのある表現ができます。シルクスクリーンとは違い「版」を必要とせず専用プリンターで転写紙にまずプリントし、それを布に重ねて熱でプレスしてさらにプリントします。熱でプレスすることによってインクとポリエステル素材の化学反応が起きプリントされます。最後に断裁し縫製して完成です。こちらは生地を “染める” といった方がイメージが湧きやすいでしょうか。発色が鮮やかで色落ちしにくく、生地に馴染みやすく自然な仕上がりになります。生地の風合いを損ないにくいという特徴もあります。


プリント方法によってプリント範囲、触り心地、仕上がりイメージが全然違う!

グッズを作るときは”最終的な仕上がりイメージ”をしっかり持って印刷方法を選んでから作業しないといざ入稿のタイミングで希望の布や印刷範囲、価格が合わなくなることも出てくるので注意しましょう!

各ウエアプリントには得意なこと、苦手なことがある︕

シルクスクリーン印刷と昇華転写印刷を比較してみました

シルクスクリーン印刷昇華転写印刷
フルカラー表現
単色表現
グラデーション
印刷範囲限定的全面

※乳剤製版の場合で記載
※デジタルスクリーン製版になると条件が変わります。

※大判昇華転写の場合で記載
※小型昇華転写になると条件が変わります。

この表で見ていただきたいのは”どちらが優れている”というわけではなく、自分がグッズを作るときにより適切な印刷方法はどれかということです。ここではシルクスクリーン印刷と昇華転写に絞っていますが最初に説明した通り印刷方法というのはたくさんあります。自分の作りたいイメージを叶えるときに選択肢が沢山あるのだということを覚えておいてもらえると嬉しいです。

専門用語が多くなってきましたが今後の投稿でさらに深堀していきます。

次回~生地との相性と印刷範囲~

よろしくお願いいたします!